分け隔てる/ブライアン
黒板には白いチョークで円が書かれていた。
その上には12グラムと。
この丸い西瓜を3人で分けるとどうなる?と教師は質問した。
手を上げた女子は、3グラムずつになります、と答える。
小学校6年の冬だった。あまりにも簡単すぎる質問に、
教室は騒ぎ出した。
窓の向こうに見える国道113号線を指して、
あの道よりも北に住む子と、南に住む子は、
一緒に遊べなくなるはずだったんだよ、とかつて、その教師は言った。
3グラム。想像通りの回答に教師は興奮気味だった。
黒板消しを握る。円の上に書かれた12グラムの文字を消す。
西瓜と称された、丸い円だけが残る。
1878年、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)