しおりの行方はわからない/こめ
 
本に挟んでおいた

しおりの行方はまだ分からずにいた

どうしてかな

簡単に人を裏切るのに慣れてしまったのは

有効期限まではまだまだだけど

速めに使っていよう

自分さえも売り飛ばす

そうしなきゃこの感情は抑えきれなかった

今羽根を拡げる時だとは分かるけど

縮こまった羽根で

この大空を翔びたとうなどといった行為は

破滅への近道でしかなかった

疑うのならばまず先に

自分を疑ってかかれ

行き場のないやつらが

集まる研究場では今日も叫び声が響く

自分の腐臭が気になる

お姫さまは白馬に乗った王子を待ち続けて

風邪をひいてしまったらしい

夕方の線路を一人木の棒を持って

どこまで行くのかは分からないけど

とりあえず終りをみにいきたかったから

行ける所まで行くことにした

挟んでおいたしおりの行方はわからないけど

いつか見付かったら

また最初からこの物語りを読むことにしよう


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