霞/小林 柳
 


引く波に 吸いこまれては 遠ざかり 二度と還らぬ 十月の海


あてなくて 青に染まりし 我(わ)は一人 この灰の街 よるべはありや


去る今日と 明日の隙間を 彷徨いて 車一台 そっと過ぎゆく

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