あいまいな秋の地平線/within
 
れは変に温かい

天空から落ちる青い石が、燃え尽きて
光となる。その一瞬のきらめきに
誰かが手を合わせる
何も変わりやしないのに、僕は祈る
それがあまりに哀しくて
ポケットの中の石礫は黙り込む

僕は空腹でなければならない
空腹でなければ、人の気持ちが
わからない
簡単に満たすことを覚えてしまえば
堕ちてゆく/堕ちてゆく何処までも
アルカイクスマイルを湛える弥勒菩薩と
口唇を重ねる
絶望と希望の半ばで
くまのぬいぐるみを
抱えて眠る子供のように
無心で明日を祈る
訪れた夜は
黒ではなく青で
吸い込む空気はどこまでも透明で
顔を上げると鼻水が一筋垂れた

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