典型的な病/中原 那由多
 
風は強く吹きすぎて退屈
窓を閉じて知った静止状態
想い過ぎてしまわぬように
隣部屋のテレビを許す


クールビューティー
壊してやりたい好奇心
いけないことだよ、と
呟いたその唇を道連れに
罪悪感を塗り潰す
今も助かり続けているのは
薄汚れてもきっと可愛いから


夢を売ってくれている
見つめて汚して喰らいたいほどに
手錠で繋いで浮世離れ
しばらくこんな生き様で
己と均衡を保つ!


予想外に熱中
過ごしやすくて私の時間
国道二号線、さっきはごめん
ちょっとした我が儘
貧血気味にフラストレーション
百合の花を好きになったのは
偶然心が折れていたからだったとは
信じたくない


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