活字/柚木
つまりは
画面いっぱいに広がった活字を読むことができない
というのは文字に対する冒涜である
と せんせいは
鉛筆と紙を手にし声高に叫ぶ
そこで
無機質な文字には興味がわかない
というのは活字好きにとっては当然のことである
と わたしは
ブラインドタッチをしながら静かに諭す
しかし
活字は快活でなければならない
というわけで 画面に躍る文字というのは正解であろう
と せんせいは 鉛筆をくわえたまま唸る
よりも
活字はいかに活きているかが大事である
というわけで 人の手で書かれた物には重要な意味がある
と わたしは 印刷をしながら呟く
ようするに
ようするに
わたしは せんせいに 読める文字を書いていただきたい
毎度毎度
打ち直しをするのは私の仕事なわけで
と 口には出さないまま
せんせい の ことば
と えがお に
なんだか誤魔化されている気がするわけだ
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