手のひらから/
木立 悟
縦に光がのび
そのまま消えてゆくようだった
消えてゆくのは光なのか
それとも腕のほうなのか
静かに受けとめていたものが
あふれあふれかがやくとき
顧みられることのなかった
小さく美しいものが微笑むとき
砕けてまわる言葉や言葉
ひとりがひとりへそそぐ血潮
螺旋を描いては立ち昇る
手のひらから 器から
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