想起の中で/
かんな
る
あの夜
あなたがわたしを抱きとめて
つよくつよく呟いた一言
きっとわたしは忘れられない
オレは、すごく怖いんだ。ひとが怖い。
誰しもが弱さをもって、臆病につよく生きているよ
あなたが教えてくれた
一瞬消えたように見えた、あの壁、あの壁の向こう
一夜にして元に戻った
後悔ともつかない、わたしの未熟さ、
アスファストに張り付いたまま
離れることもできず、季節のめぐりにさえ取り残され、
そしてまた同じ、秋を迎える
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