芸術の至上/生田 稔
 
珈琲を二つ注文昼過ぎのサンエバーに二人来てみし

薄暗きコーヒ・スタンド今日も来て伝道終えしたまさかの日

耳かさぬ家々巡りのべ伝う秋のある日に妻と二人で

赤坂ブレンドという豆挽きしコーヒーをのむ西武にて

芸術の至上を説きて今日もまた妻と訪なう西武の花屋

交差点赤信号の消ゆるまで車は止まるその一時よ

夕暮れの額の奥の脳のうち歌は踊るよ陽の沈む頃


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