蜻蛉(とんぼ)/yo-yo
赤いチョーク
のようなトンボが
風をひっかきひっかき
ぼくの背たけを測っている
ぼくは大きくなっただろうか
朝ごとに
ぼくは生まれる
よろこびとかなしみの
草の中から
ふと目覚めたように
ことばも生まれる
あたらしい朝を伝えるため
ぼくの背たけをこえ
きみの背たけをめざして
空へ飛びたつ
秋は
風も澄みわたるので
ぼくのトンボは
草の匂いを
見失うかもしれない
きょう
トンボは蜻蛉
ということばを知った
翅が濡れているので
まだ飛べない
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