ジグソーパズル/中原 那由多
 
流線形を手がかりに
ピースを一つはめてみた
ぴったり落ち着くことが楽しくて
暇潰しではなくなっていた


ピースが足りないから毎日のように探し歩いた
埃の積もるベッドの下
ジレンマの隙間
台詞の裏側

ひとつのピースを拾った
今までのと比べて酷く汚れてた
途中経過の絵には不釣り合いだったが
ここに収まることは間違いなかった


未完成を遠くから眺めてみた
吐き気がするような肖像画で
汚れたピースをじっと睨みつける
馬鹿馬鹿しく思えてきて
また泣きそうになりながら
バラバラにしてやろうと目論んだが
汚れたピースに手をかけて
零になるのがとてつもなく怖くなった


勘違いに気付いただけまだマシだったろうか
同じ轍を踏みかけて
つい鼻で笑ってしまった


あれから、未だに懲りず
今日もピースを探して歩いている



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