不確定性過呼吸の昼下がりに 、すこし飛ぶ/北街かな
 
ちぎれた雲の雨脚にまで届くように 斜めの光線に従って
指先をぴぃっと伸ばしてゆくんだ

触れた蒸気のもくもくのすきまには
あたらしい宇宙が隠されていたとか、いないとか。
既に誕生していたのか! なんて、おおげさに驚いてみて
しだいしだいに巻き込まれてゆくんだよ、
もう、なんでもいい、この寝ぼけたまぶたを押し上げて
今度こそ目覚めさせて欲しいんだ

物語は、終わっていたか
スクリーンは縫い閉じられたか
てのひらにじっとつかんでいたものは、
すでに溶けだしている
土のうえに赤く、あとをつけながら
指先のその向こうへ! 蒸発しようと泡を立ててる

これが現実だった! あ
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