四行詩四態 <7>/nonya
 

「無」


カラカラの大人を脱いだらギリギリの元気

ギリギリの元気を脱いだらテラテラの苦笑

テラテラの苦笑を脱いだらシワシワの孤独

シワシワの孤独を脱いだら なんにも無い




「間」


自分と他人のアイダを測りかねて

未来と過去のアイダを右往左往して

飽きもせずアイダを生き続ける

宙ぶらりんの不安を生き続ける




「地」


温む水と濁る風をやり過ごしても

卑しく増殖する街を持ちこたえても

人の重さと軽さを受け止めても

時々堪え切れずに身悶えしてしまう




「獄」


奔放な唇は自由ではなかった

自在な指は自由ではなかった

やがて誰もが同じ場所に追い込まれていく

囚われていない者なんて何処にいるのか



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