円卓はね、青かったの。/点子
君と丸いテーブルで食事をとる。
周りを子供がくるくる回る。
君と丸いテーブルで食事をとる。
子供たちの服がゆらゆら揺れた。
ひらひらひらめいた。
昔はこうやって遊んだ。
口に含む時しか口を開かなかった君。
ああ、そうだ。
僕たちも円卓の周りをぐるぐるまわった。
青かったっけ、赤かったっけ。
忘れたしまったのだろうか。知らない。
子供達の高い声が響く。
硝子のカップが震えた気がした。
気のせいか。わからない。
君と丸いテーブルで食事をとる。
窓の大きな一室で。
君と丸いテーブルで食事をとる。
周りの壁は黒かった。
君と丸いテーブルで食事をとる。
子供たちはどこへ行ったのだろう。
わからなくてもいい、と君は言う。
だから僕は、知らない。知らない。
幼かった時を捨て切れなかっただけみたい、ね。
君は丸いテーブルから去って行った。
バイバイ。
(そういえば、赤かった。
でも君はもういなくなってた。)
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