僕のある日の過去/番田 
 
知らないイタリア人と意気投合してドミトリーで輝かしい彼らの文句を引用しては、彼は知らない哲学者の名前を何度も出し、哲学の知っている哲学者の話を出したものだ。君も話にいくつもの花を咲かせた。そしてカフェで飲んだこともないような色の飲み物を何倍も飲み、夜になるとニューヨークの地下鉄ほど面白いものはなく、ホモセクシャルのように肩を抱き合って地下鉄を笑っていた。いつまでも何周もさせられた。入れ替わり、この近くを取り巻く黒人たちが立ち替わり現れるのだ。紫色の風体の人たちが目の後ろに、見たこともないような靴下に、ピンクのフレームの眼鏡の女の子、ナイキのチームの極彩色のTシャツ、ゴスペルの匂いを漂わせたファッションの、どこかのバスケットシューズに。ハーレムあたりを出ると。
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