にわとりのしずく/カンチェルスキス
ああ おれはこわれた
二丁目の角で
月見うどんすする スーン
鉄格子のなかから するどいめだま
おりまげたひざのうらには ぶっとい静脈
にわとりのしずく
きばむいて小便した
にわとりのしずく
きばむいて小便した
ブックエンドの向こう 消える
地図を踏んだかかとの 裏側
踏みにじって きれつ
ああ おれはもまれる
たこのように準備しながら 待つ
かけだれのはしゃぐうつわで もりあがった退屈を
さそうし さすし
にわとりのしずく
ぶどうにならって
のまれるのがこのみ
にわとりのしずく
たれ落ちるまえに ふいて
ばかでかいくらげは ひきだしにしまう
生まれるまえのコーラに 泣かれても
おれはふしだら きんちゃくぶくろ
せなかわらい うしない
ごらんのとおり あのよつつじの先が
もう晴れわたって 何も見えないよ
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