少女B/山中 烏流
り返している日々
制服のスカートのひだが
勝手に歴史を刻みだして
そろそろ絵の具の汚れに
無視をしてはいられない
昔より窮屈になった、と叫んだら
少しくらい、何か変わるだろうか
足の爪を切らないままで
親指の位置に空いた穴を
私以外誰も知らない生活
夢は本に埋もれること
笑って話した彼女は
お向かいさんの猫に
相当嫌われたらしく
最近では近づく度に
逃げてしまうらしい
「あんな猫死んでしまえばいい」
火傷の跡が目立つ彼女の手首は
色白の流行る中に在る誰よりも
美しいと信じたい
彼女はブランコがお好き
漕いだら酔ってしまうというのに
それでも、彼女はブランコが
好きなのだという
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