「ユカイだろうが、なぜ泣く。」/ひとなつ
過とかにうとい…止まったままのシルバニアファミリーの
赤い屋根の小さなおうちの中で、マロンイヌ先生の書斎にうずくまった
ウサギの子供のうちのひとりなのかもしれない、とも思った
それでもやっぱり、気づかないうちに、ずいぶんの時が経過したらしい
おれはいつの間にか、子供を引き止めるプールの監視員の役になっていたんだ。
「飛び込まないでねー」とか「もう閉めるよー」とかそういったセリフを
口にしている自分がそこには、いた。
ほんとうに、急激なスピードで日が暮れていくってことに、そのときになって気がついた
そして、今年の夏も、おれなんかにはとても気がつかないくらい、
ほんとうに急激なスピードで終わっていった。
9月6日(日曜日)
せめて今日という日が永遠に暮れない夕日であることを
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