潰れた家は、私で/番田
優雅なるひとときを思う
俺は
全てをシュレッダーにかけた
純白のコインを
手にしていた 苦悩に
暗闇を任せながら
生きる不自由が
味を占めた 地の底で
存在する
怠惰などないのだろう 忘却の果てに
手にする超越など
追わず 閉じこめられた
僕で、一生を終える
ゲームセンターで遊ぶことに憧れ、僕は
僕の、歌曲を歌いながら
なおも生きていく
人がいた 破壊した
会社の中
極秘資料を
整理させられている 早朝の
言葉を無視して 楽しみに
社長をこらしている
*
カラオケボックスの
端っこで揺れる 完全体を通り抜け
川のせせらぎに耳の白い
電気椅子で 一瞬で、僕が消え失せるように
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