暑さの残る日に/
照留 セレン
渡りゆく空がなくても
鳥かごのツバメは夏が行くほうを見る
草ひばりの声を聴きながら
日に当たる頬の熱さは
夏をしっかりと覚えているのだが
頭を垂れた稲の穂が首を振る
入道雲が突然泣き出しては千切れていった後の空で
羊の群れがのたりのたりと旅している
もう去ってしまったのだ
風は涼やかな秋の化粧をして
朝に夕に踊っている
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