夏と秋の狭間/由志キョウスケ
 
     ○夏去る歌五首詠める




暦での夏が過ぎ去り蝉の声いのちを絞るこえ哀れこえ


陽光に差す日傘手にふと折りたたんでは陽の道歩く女(ひと)


夕暮れに水まく庭の静けさよ木の葉に集める涼しさのもと


君が歩く廊下の音は靴下ね夏のはだしがはや様変わり


夏仕舞い扇風機にクーラーを最後の汗かき片付け終わる

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