初秋の対峙/伊月りさ
をたべ
八時頃にたべおわり
九時頃にねてしまう
毎日、毎日、毎日、毎日、毎日を送っているということを
母に教えたくはない
もう夏はおわるよ、おばあちゃん。
もう秋になるのよ、おばあちゃん。
人の誕生を
よごせる人が父ならば
残念だけれど、嘲笑いたい
「家にいた頃を思い出す」という
やさしく押し込めた感傷を
よごせる人が母ならば
消えてしまえ、と罵りたい
こういった、あらゆる想念の暴力を
墜落するほど空虚で寂しい 秋の夜長に自在にできたら
わたしは強くなれるだろうか
必ず至る多くの別れに
わたしのままで対峙して
悲しい時には泣けるだろうか
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