まつげ/ゆるこ
 

私には到底理解できないことが山のようにあるらしい



おばあちゃん、今日は外に出れないから、サボテンに水をあげるの忘れないでね
そういって、すべてを忘れていくドアをゆっくり閉じた
私はジョウロを持てない
おばあちゃんじゃないと、持てない


致死量の言葉を箱詰めにして、睫毛の元へ送った
きっと着払いにしてもあいつは受け取るだろう
そういうやつなのだ、私
あれ、感情がおかしい、おかしい



おばあちゃん、まっしろだね
さむいね
わたしもさむいよ
ものすごく



今朝はすこしだけ寒かった
ぽう、ぽう、と 風が鳴いていて
私はいろいろなことを少しだけ思い出して、眠った
明日は、睫毛は、そこまで来ている、来ているんだ


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