さようなら/ミツバチ
あなたに会いたくて
あなたを忘れられなくて
わたしは海へ
でもあなたは
だんだんと薄らいでいた
さようなら
と優しく呟いている
わたしの涙は
風にさらわれて
赤い太陽も
どこか温度を落とし
じりじりと
わたしを照らすことも無く
砂浜に立つわたしの
切ない心は
あの日見た海ガメの行方に
思いを馳せる
行ってしまうの?
また来るよ
会話など存在せず
あなたがそう言ってるようで
鳴き始めた虫達に
急き立てられ
あなたに背をむけた
すっかり柔らかくなった
西陽が
また会おうと手を振っている気がする
戻る 編 削 Point(4)