北緯38度線/ブライアン
苛立っているのは誰か。
人差し指が差す方角には、砂利取り場がある。
緑に覆われた、不恰好な山の斜面では、
今もビアガーデンがされている。
亡霊たちの。
いわくつきの食用蛙たちの。
西瓜畑に広がる、遠近法の山脈。
霞む輪郭。飽和する空気。
ソヴィエト連邦のラジオ電波が届くように設定された、
北緯38度線に、石碑が建てられる。
西瓜団地創設にあたって。
100円の缶ジュースをめぐる攻防の末、
泣きを見た少年は、急斜面の上り坂で空に包まれる。
森林から寄せられる、陰り。
空から放たれた、ぼやけた輪郭を享受せよ。
20年前の政治的声明を、
薄汚れた6段階自転車で。
闇に包まれた田の前で、輪郭をたどる。
50m間隔よりももっと隔てられた電灯に、
無数の昆虫が集まる。
100円玉がポケットから落ちる。
もはや大金ではない、そのコインが
田の脇の用水路に、ぽちゃっと音を立てた。
宴は明後日の夜だった。
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