エロティック/ホロウ・シカエルボク
 


うち捨てたときの痛みをお前は信じ過ぎた、渇きの挙句ひび割れた生体の表面のごとく、ただあるというだけで約束された気になっていた理由が音もなく崩れる、死際の夏が悪い足掻きのように放つ胸のムカつくような熱をさばく術もなく汗にまみれる9月の初めのこと


その日俺の中にあったひとつの叫びは取るに足らないもの、多分お前の中にあった叫びだってちょっと似たようなもの、身につけたシャツはもう俺という生体に少し犯され始めていて…俺は脳みその記憶をごたまぜにして新しい語感を作り続ける、アナザー・サイド、真実なんて結構そっちにあるとしたもんだよ、確信なんて所詮は表層の出来事さ、確信なんかを振りかざしては
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