長い休み/殿岡秀秋
 

長い休みの間は
ぼくが起きたときにはいなかった
「自分から行きたいというまで
行かせないようにと私にいったわ
必ず行きたいというようになるから
それまで待てとね」
父は普段はぼくに学校に行くように
いっておきながら
内心は心配してくれていたのだ

父が寝ている部屋にひとりでいって
白い布をはずし
冷たい額をなでると
涙があふれた










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