朝/kawa
何度目の朝なんだろう
僕はまた歩く
或る朝、僕は草原を歩いていた
太陽は今にも昇ろうと地平線の向こうに待ちかまえ
紺色の空は金色に染められた
僕は息をとめて歩いていた
或る朝、僕は雨の街を歩いていた
顔を伏せて歩くたくさんのひとびととすれ違いながら
僕は温かい服を着て
胸に浮かぶひとをおもった
朝がくれば
それがどんなところでも
僕は背をはり
清らかな決意のように
すくと一歩を踏みだした
歩くことがうれしかった
他には何もできなかった
朝が好きだった
そうだ、朝がきた
朝だ
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