Non/AKiHiCo
 
簡単に他人の心を覗こうとしないで
他人のアナタに何が理解できると

毎日続いた暴言と暴力
誰も助けてはくれなかった
誰にも言える筈はなかった
頭の中で何度も僕は僕を殺して
殺して痛みを受けているのは
僕ではないと
そう言い聞かせたけれど

今になって
時間が巻き戻されて
過去の毒を飲まされ続けている
もうやめて欲しいのに
出てくる言葉は
「ごめんなさい」ばかり

産まれてこなければ
よかった

そうすれば
こんな痛みもなかった
泪も血も流さずに済んだのに
毎日怯えながら
腕が振り上げられれば
顔を庇うように隠し
震えた

髪を掻き揚げただけ
安堵の溜息に握られたバット
そこは少し痛いから
思わず叫んでしまう

何度も何度も
動悸と過去投影の狭間
その途中で
優しい母親の顔を
思い描く

一度だけでいいから
僕をどうか

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