鋸でぎこぎこ切っているのだ/人 さわこ
あり、私の肌のぬくもりを、いつまでも覚えていてください。千年後、大雑把に分けると私はあなたになっている。私があなたになるときまで、どうか生きていたい。眠る前に殺さないでください、まぶたを擦る音で子供が目を覚まし、一晩中泣き続けても、私が眠るまで殺さないでください。目を閉じて、月に豚を刻んで胸にしまおう。私に、愛したすべてに、私の中の小さく儚い願いに、この手が繋いだ全ての感情たちに、I LOVE YOUを掲げて。誇らしく、ただ愛することを求め、まっすぐで強いあなたに、月に豚を刻んで捧げよう。馬鹿みたいに繰り返して、馬鹿になって、中に入って、墓を建てて、直に触って、いかにして動かすのかは知らないけれど。こぼれたきらきらをあげよう。手招きのその先へ、担いだ神輿に乗せてよ。祈りが届くといい。何もわからないし、何も見えないけど冷蔵庫の余りもの。つま先から体の芯を伝わった、どうしようもなく馬鹿げたこの声を許してほしい。光る石を頼りに森を抜けたらあなたは踊り、私は歌おう。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。好きだ。傘を家に忘れてきた、もう雨は降らない。
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