輝きの声/番田 
 
言葉を忘れた
声に 振り向いた
心から阻むようにして
警備員は 横を通りすぎる 立っていた

イヤホンをつけずに耳を外していった
帰り道を歩いていく きいている
数羽のカモメを 閉じていた 体から 送っていく

声にすると
テトラポットの下を現れていくみたいだ 夜の車は
根本からじっと 山の葉は 舞い落ちる音の

海の向こうを 目指していくのかと
僕を戻っていく 一つの指の 誰もいない部屋だ
そして 抱えている言葉に黒く 透き通った
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