夢の初夏/番田 
 

遠い所へ投げ込んだ
緑の草が生え揃っていて
生きていくことの
寂しさがあった 彼女の
言葉も無いがままに



人生がこれから
どう進んでいくのだろうと 今も
この胸に
焼き付いて 離れない
白い雲の覆う空を思った

あったことと
言えば 
大勝軒の ラーメンを食べたことくらい
僕の頭に当たるものは その
苔の中を生きている

ものたちは 立っている
自分と同じ生命体なのだろうかと
この葉たちが
受けとったものと
同じだろう そんな恩恵が
向こうから振ってきはしないかと

立ちつくして 寂しい
晩夏の日差しに
まみれていた あの深みの
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