夢の初夏/番田
遠い所へ投げ込んだ
緑の草が生え揃っていて
生きていくことの
寂しさがあった 彼女の
言葉も無いがままに
*
人生がこれから
どう進んでいくのだろうと 今も
この胸に
焼き付いて 離れない
白い雲の覆う空を思った
あったことと
言えば
大勝軒の ラーメンを食べたことくらい
僕の頭に当たるものは その
苔の中を生きている
ものたちは 立っている
自分と同じ生命体なのだろうかと
この葉たちが
受けとったものと
同じだろう そんな恩恵が
向こうから振ってきはしないかと
立ちつくして 寂しい
晩夏の日差しに
まみれていた あの深みの
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