恋人/
 
あなたにとって僕のいない生活が
どんな肌ざわりのものにせよ
それについて思いを馳せることすら
いとわしくなってしまったのだ

こんなところで
こんなことをしていたくはない
僕はひとりで生き生きとしていられるのだ
あなたに見せつけたいくらいに

ひとを傷つける確かな手ごたえは
はるか昔いきものとして覚えた戦いの果て
勝者のよろこびに飽くまで
さみしげな顔に爪を立てよう

そしてあなたを置き去りにしよう
僕にいとわしいと思わせた
思いたくなかったのに
だからあなたを置き去りにしよう
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