夜と君と僕/高島津諦
空っぽの君の心は僕のこと吸い込んでもう離しはしない
熱帯夜なのに鼻水ズルズルであなたの嘘を考えている
いつまでも踊っていられるはずだった真っ赤な点滅信号の下
仙台のファーストフードの灯し火が恋しい盛岡午前二時半
道端に塩クラッカーの箱持ちて「教えてください」幼児叫ぶ夜
君のこと信じられなくなった夜聞こえる風よもっと叫べよ
午前四時四十四分四秒を見たから君を思い出してる
簡単に言うのは難しく言ったって簡単になんかなりはしないから
純粋に生と死だけを比べれば生きていたいけどそうもいかない
誰からもまだ誉められたことのない僕の何かを君は見つける
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