落下/月山一天
この都市はまるでコンピューターチップのよう
人々は機械のように動き回り、
誰もお互い目を合わせたりしない。
ホクは世の中のシステムに沿って動きます。
それが出来ない時、ボクは置いて行かれます。
ボクは空間、人々そして時間と競争します。
ボクの生産力は常に要求され続けます。
ボクはいつも幸せで強く、賢く見える必要があります。
「ごめんなさい」なんて簡単に言うことは出来ません、
ボクは怖いんです、すぐに誰かが見つけ出すから、
ボクが弱く、不安定で、愚かだということを。
ボクはボクじゃないんです。
ボクはあなたが考える「僕」なんです。
そうです、ほとんどの時間、
ボクはボクではありません。
ボクはトイレの箱の中ぐらいでしか自分でいられない。
その安全天国でボクは思う。
尾から火をつけて永遠に落ちて落ちる、
ボク、そしてこの社会、
まるで自然と機械のように
ボクを破壊するんだ。
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