白い感情/
加藤小判
いつもそこに
置き去りにされているものがある
薄い皮膜が複雑に重なり増殖して
蛍光灯の白い光りを乱反射させている
そのプリズムに照らされて
痙攣を繰り返す白い体
それが私の感情だろうか
黒ずんだ足が写真のように剥き出されて
静かな夜に凍えている
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