恒星/葛西曹達
 
改札を通った瞬間に
ゼロに戻ったデジタル時計

家路をいそぐ私鉄線
大通り流れるクルマの川
人は町の闇へと消える

今日も一日お疲れさま
自転車は南へ走る
信号無視するネクタイ横目に
明るい夜空を見上げれば
独りぼっちの星がある

星の名前はわからない
それでも絶えることなく
揺らぐことなく
光りつづける

幾千光年の彼方まで
僕の手は届かなくても
星の光は一直線に
僕の頭上に届いているよ
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