酸性雨ソーダ/KETIPA
わからないことがわからないよりはましだった
点滴をうたれつづけている腕はもう
黒くしなびてしまった
かつて素描を誉められたうで
私本体はいつだって二の次だ
だったら 。
整いすぎたりずむが耳を苦しめた
たった たった一片でいいから
形の崩れたいたみはなかったか
その日、落下しながら見た雨の夜明けは、石膏のように白い天井とそっくりだったよ。
…
こどものころ図鑑で眺めたような昆虫が
足に這いのぼっているようだ
がりがりの手足ばかり長くて、こっけいなくらいバランスの悪い
あの虫
私より立派な名前があった気がする
こりこりと繊
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