波/高島津諦
 
Tさんと僕との距離は引き潮の朝の波打ち際の音



繰り返す君の名前は永遠に波間に揺れる太陽みたい



波に浮く空き缶目掛けて釣針を投げ合うようなぼくらの会話



粒と波波と粒なのあの鳥も君と僕とも僕らの心も



遠くから波音が聞こえる家ならば姉は飛び出さなかったろうか



夜一人ベッドで瞳閉じてると寄せては返すあなたのことが



誰一人心のチューニング合わなくて壊れたRADIOとうそぶいてみる
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