犬と波/
瑠王
浜辺の犬がこちらを見ている
トタンの屋根を抜けて私は
君に寄せていく
同じだけ離れて
君は黒い目でかしげる
私は砂の城をこえて
水平線を臨む
幾重にも絡まっては
足元で消える
越えてゆこうとする
私のいのちを押し返す
君との距離は
やはり数億粒の宇宙
寄せてもまだ届かない
振り返れば犬は点
足跡を残して
僕の宇宙は此処
此処にいるよ
こっちへおいで
こっちへ
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