昨日のリタ/ホロウ・シカエルボク
 




ちょっと失態に見えるような
歴史の中で真実は息をひそめていて
俺が道ですっ転んだりした拍子に
目と目がバッチリ合うのを待っている
まるで控え目な女のように
まるで手綱の引き方を
よく判っている牧師のように


忘却のリズムはいつだって
誰も気づかない時間にこそ
巧妙にカウントを開始するもので
メモの出来ないタイミングに思いついたことなんか
余程のことがない限りは思いだしたりしない
ヴェランダで湿気にネをあげるサボテンのように
幾つもの言葉が虚空にとけてゆく


ハニー、ハニー
いつかのシロップを使ったパンケーキを作
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