自らが呼んだ退屈に死に損ねた午後の陽/かのこ
考えたことは
線香の煙と同じ。
今朝、両親に言われた。
「元気なら学校行けば?」
僕は頭の悪い子供なので
ウン。と出来損ないの返事をして
それからトイレに2時間ほど閉じこもった。
考えたことは
線香の煙と同じ。
犬は、腹を満たせないでいる。
少し立ち尽くして、
受話器を使って死ぬ方法を考えてみた。
マヨネーズでも考えてみた。
包丁はつまらない。
シャワーの方がマシ。
考えたことは
線香の灰と同じ。
もう要らないと思って捨てた、
キツ過ぎる煙草に、
5以上の数字。
嗚呼、ほら、見てみろ。
陽が落ちようと目論んでいるぞ。
静かに、吠えろ、吠えるんだ。
腹を満たせないでいるお前は
この世でいちばんの親友だよ。
秋の訪れようとしている PM 4:44
考えたことは
線香の煙と同じで、
死にたくもないのに
受話器を握った僕は
飛んだ恩知らずである。
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