『海ともぐら』/海 猫
 
電車がたどり着く前の
胸のざわめき
生暖かく
気持ち悪い風が
僕の隣を駆け抜ける

飛び込めば冥土
流される人

壁と壁の
狭い隙間を
もぐらのように進むよ

このまま遠く
誰も知らない世界へ
連れてってほしい
線路なんか越えて
遠く青いところまで

人の群れ
あっちの世界に
逃げ込んでばかり

ここは闇のなか
誰もが嫌う
白が汚れた黒のなか
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