『枕木の契る丘』/Leaf
 
青々と生い茂った広大な芝生の丘に乾いた細身の葉先が隙間無く犇めき合い、そっと朝露の雫を麦藁帽子代わりに被っては祈り誰かを待っている
其処は天と地を糸電話よりももっと古来の伝達で繋ぎ御魂捧げるグレイヴヤード(GRAVEYARD)

でも、声はしないんだ

行き掛けに立ち寄った移動式販売の花屋の前に捨てられていた季節外れの秋桜を片手に寝転がった丘の上
地表と上空の間で頬杖ついた時、確かに聴こえた禊月(けいげつ)の契り
憩いの噴水に集うは見切り発車した伝書鳩が口ずさんだ口笛の音色だけ
齧り毟られる毎に其々が弛まず密接に寄り添った

アップタウンに住み慣れたヤッピー連中には
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