夜と昼/曠野
 

天球儀まわる
透明に

川底をめぐる
闘魚の輪郭

壊された客間のドア
こぼれる鍵盤

遅すぎた伝令
到達しない 手

灯台の照らす
静かな波間

幼い寝息

雷鳴響くあたりから
いばらが群れをなして歩いてくる




さくらんぼのカクテル
階段の影

晴天を目指す
河口の嬌声

見られている
窓越しのさようなら

干してある果物
片足だけサンダル

眠る灯台は
再び夜のために

幼い笑顔

雲の波打つあたりから
ひばりだけが生還してくる
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