武蔵ノ伝言/
服部 剛
暦を一枚、捲った下に
「我事に於て後悔せず」
と云う、宮本武蔵の一行が
過去から語りかけていた。
侍の幻影、目の玉を動かさず
うらやかに 空 を観る
暦を一枚、捲った明日は
薄っぺらな面の皮を剥がし
二度と巡って来ない日の
いまの中心に、刀を向ける
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