しずかな喧騒/吉岡ペペロ
 
しずかな喧騒にみちた夜

外灯のしたに白が溜まっていた

スーツに風が入り込んだ

たき火の匂いが鼻をかすめた

ひと肌ほどの悲しみか

しずかな喧騒をむねに聴かせた


銀行にメイン一行体制をやめて

二行体制にする申し入れをした

えらく裏切り者呼ばわりされた

私募債しか提案なかったくせに

返済をキャッシュフロー以内で

やりたいだけだよ、不況だから


しずかな喧騒にみちた夜

外灯のしたに白が溜まっていた

スーツに風が入り込んだ

たき火の匂いが鼻をかすめた

ひと肌ほどの悲しみか

しずかな喧騒をむねに聴かせた


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