夏の終りのリトルネロ/瑠王
 
さっき彗星が流れていった

終わるんだってさ、夏が

蝉の輪唱が今でも耳に残るのに

青い鐘は鳴り始めて、夜は静か

月の灯篭が銀色

川辺の丘は金色に染まる、これから

真夏の夜の夢は都の隅で煙り

渦を巻いて消えていった

後ろ髪ひかれた誰もが、囁くから

澄んだ空気に幾粒もの想響(そうひび)き

さっき彗星が流れていった

終わるんだってさ、夏が

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