色の無い宮殿で/水島芳野
しろがねの球体がゆっくりと翳ってゆくのを
僕らはどうすることもできないから
この虚しさのやり場もなくて、ただ明ける
ガラスの宮殿
ハリボテの威厳
プラスチックの王冠
何もない
意味もない
それを受け入れることで生きようとした
僕の罪を
今なら購うことができるのかもしれないね
たったの小指2本で
いったいなんの誓いになるの、と
風の中
きみは泣く
ああこの王国で
王宮に一人ぼっちの王子様
お姫様は皆殺し
すべて筋書き通りなら―――・・
お誂え向きの孤独なのだ
こんなにも容易く失うことができた
だからこそいとしい
もう手の中で色褪せた花を、
「もしもう一度、生まれ変われることができたなら
次は幸せな結末を」
砕くことで焼き付けた。
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