ペパーミント/ねことら
飼っていたのは、音のない荒野
はちがつの、日なたに置かれたたまごのように
だきすくめるたび
わたしのりんかくを剥がすもの
透明な模型のような日々
を、くみたてる
微弱なでんきしんごうで
うごくほそい腕をみつめた
細い枯れ枝が光っている
細い枯れ枝が光っている
よくみれば人の形をしている
接ぎ足せば、きみたちも
楽になれたのだろうか
跡の残らないような
きずをつけてほしかった
まいなす2どの
不感症のキスで
黒と白の
こわれたモノトーンのこえが
もういちどだけ
きみとわたしとの距離を
あいまいに、許した
ここは、ちのにおいがする
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